メランコリー

★準特選盤★レコード芸術 2017年2月号


Intoxicate 2016年インタビュー 詳しくはこちら

Intoxicate 2016年インタビュー 詳しくはこちら

 

クラシック音楽と他ジャンルのギャップを狭めようとする試みが、今日いろいろ行われていますが、100年前の流行発信地パリではすでに行われ、ジャズやシャンソンをクラシックに採り入れたり、文学、舞踊、美術家との交流で新しい文化が生まれていました。その産物の一端が当アルバムに収められています。それまでの後期ロマン派的な重苦しさや濃厚な感情を捨て、簡素かつ思い入れをしない作風に新しい息吹を感じます。

青木美樹は東京生まれ。9歳で渡英、その後インディアナ大学、イェール大学大学院、ハンブルグ音大にてシェベック、ボリス・ベルマン、コロリオフらに師事。2004年イタリア、イブラ国際コンクールを皮切りに、さまざまなコンクールに優勝および入賞。スイスを本拠として国際的に活躍する実力派。数年来プーランクの音楽にはまっているというだけに、共感と説得力あふれる演奏を繰り広げています。オシャレな音色も魅力です。(キングインターナショナル)


私にとってこのCDに録音した曲はそれぞれ、宝石箱を開いて見つけた輝く宝石のようなものでした。今にも1920年代のパリが目の前に見えてきそうな作品は、当時のパリの夜の華やかなシーン、輝くネオンや街の雑音、香水の香りまでが音楽を通して描かれています。皆様に私がこの音楽を通して経験した1920年代パリへの旅を、このCDを通してお伝えできればと思います。

青木美樹